『粕谷幸司の自由なコラム』19
2015年も、どうもありがとうございました。
何もない1年なんてないんだろうけれど、でもなんだか思い返すと、何もなかったような気がする。
何かを成し遂げたわけでもなく、何か大きな変化や成長を実感できたわけでもなく。
何もなかったかも知れない、と思ってしまうから、年末ってどうにも切なくて苦しい。
けど…、振り返れば途方に暮れることなんて、年末に限らず年中だけれどね。
1月ごろ。アイドルの仕事では今もうみてないソロアイドルをみてたりしてた。
活動自体を辞めていった子、移籍した子、フリーとして巣立ち今もがんばってる子。
色んな子と、色んな離れ方をしたなあ。
2月ごろ。所属してた事務所でなんとかしたくて、でもどうにも掴めなくて。
本当にいつものことだけれど、自分に大いに迷いまくってた。
何がしたかったのか、どうしたかったのか…、もがくだけで、進めなかった。
3月。少しずつ、周りの環境や関係に、変化の兆しがあった。
悪い意味でも、雰囲気が変わっていくのを感じて、眺めていただけだった。
…いや、やっぱり変わってしまったのは僕の方で、僕の気持ちが、疲れていたのかな。
4月。今につながるプロジェクトが少しずつ動き出したのはこのころだったか。
新しい出会いを迎えて、どうなるかわからないまま、それでも手探りで進む楽しさ。
そして自分も、所属事務所を離れることになり、何も見えないまま進み続ける怖さを感じた。
5月。ちょっと間違ってるかもしれないけれど、とにかく動きたくて引っ越しをして。
生活圏も、生活スタイルも、今までと大きく変えた時期。
独りぼっちと真っ直ぐ向き合って、とにかく面白く、とにかく楽しさを…って、足掻いてた。
6月は、本当に辛かったのを覚えてる!日照不足とか本当に病気のようだった。
酷く気持ちが不安定で、体調にも出ちゃったし、信じられない出来事もあったし。
今でも思い出したくない時期。でも、色んなことが、このあたりから始まったんだな…。
7月。まだあまり病み上がり切ってなかった。ちょっとオロオロしてた気がする。
上も下もわからないまま、沈んでるのか浮かんでるのか。ただ、光だけをぼうっと眺めて。
風向きが変わり始めていることに、気付くことなんてなかった。
8月は毎年、だいたい誕生日があるので、いつも自分を見つめ直すことになってる。
「32歳の粕谷はモテることだ」なんて話して笑ってたなあ…、あは、はは…。
また改めて、人との出会いを大切にしようと、心を持っていこうと決めたころだった。
9月からは一気に景色が変わって。関わる人も、聞こえてくる音色も違ってた。
10月の《粕谷幸司のイベント》に向けて、攻め切ろうって思って。
11月には仕事が大きく動くことになって、頭も心も体もフル稼働。
ほとんどのことを憶えてないけれど、思い返してみればやっぱり、色々あった1年だったなあ。
けれど、本当のことなんて自分の中には無くて。
残っている現実は、誰かの中に生きていた自分だけ。
自分の中の自分なんて虚構のようなもので、誰かの中にだけただ、生きているんだ。
超抽象的な1ページになったけれど、これを書いた意味は、きっといつかどこかに生まれる。
これまでのことなんてもう、わりとどうでもよくて。
ただ、いまからみらいに、どう生きるのかなって。
それだけ見つめて、また進んでいけば良いのかな。
今日の自分は、今日で死ぬ。
今までありがとう。またね。