そんな夜の過ごし方

『粕谷幸司の自由なコラム』11

 どうにも出来ない夜があってね。
 それは原因とか状況とか色々で、例えば今の自分の不甲斐なさでズドーンと気分が落ちたり(これが一番多い)、例えばアイドルに関する仕事で思うようにいかなくてグッタリ…疲れちゃってたり、例えば過去に関わった人がナンヤカンヤ変なことになってて腹が立ったり呆れたり、例えばニュースで現代に生まれた不幸にキモチワルくなったり。
 前に「僕はネガティブだ」なんてことをコラムに書いたけれど、そういう、拾ってしまえば気持ちが下がるだろうことを放っておけずに、胸元に抱えては悶々とツラい思考に溺れてしまう。

 最近、そんな夜が多くて、さて、どうしたもんかと頭を抱えている。
 習慣に身を任せて過ごすと、テレビを見たり、ラジオを聴いたり、twitterを眺めたり、アプリゲームをしたり…、その合間に煙草を吸っては、ため息と一緒に「…つらい…」とか壁に向かって呟いてみたり。時間があったり体の疲れを感じる時は、お風呂に3時間くらい入ってみたりして。
 そして朝が近付いてきて、電気を消して、さらにHuluでアニメを見たり、Podcastを聴いたりして…、まさに朝が来る頃に眠ったり。
 すごく不毛というか、どうにも出来ない気持ちをどうすることも出来ないまま終わっていく、ような毎日。残念だ。

 なので、何かもっとスパッと終われる方法は無いものか、と考えてみたんだけれど。
 お酒を飲むと、ぽわ~っとなって眠れる代わりに、朝がダルい。あとお腹がユルくなる(ような気がする)。
 お酒は飲まなくとも、ヤケ食いのようなことをすることもあって。それも満腹とともに眠たくなってたっぷり爆睡する代わりに、太っちゃうし。お金もかかっちゃうし。
 どうにもこうにも、ちょうど良くスッキリできるものが無いのだ。
 しかも最近では、夜中にコツコツ作業をしていると、下の階だか上の階だかから威嚇(壁ドンならぬ天ドンか床ドン)されるから、もう起きているのも萎縮しちゃって生きづらい…。

 そんな夜の過ごし方を、探している。何かないかな?

 そもそも、気に病む原因や状況を片っ端から取り払えれば良いのだけれど、なかなかそうもいかないから。なにをどうすればスッキリ出来る(上手くかわせる)のかがわからないなあ。
 エロいことを考えれば良い、という説もあるのだけれど。エロい後に現実が押し寄せてくることほど、ツラく虚しいこともないので、ここではエロにも逃げられず。
 一体、世界中のみんなは、どんな風に気持ちを受け流しているのか。

 …と、話は逆さまに。
 そんな夜の過ごし方に、僕が成れたら素敵だな、とは思う。
 どうにも出来ない夜があって。そんな時に僕がボソッとtwitterで妙なことを呟いていたり。
 僕らのPodcastを聴いて「わりとどうでもいいやー」なんて思えたり。
 そんなコンテンツに僕が成れていたら、それって凄く僕が生きてる理由になる!

 正直、幸運や奇跡を除けば果てしなく遠い夢、ではあるのだけれど。
 仕事をしているアイドル達が「誰かの元気になりたい」と言っているのと同じように、僕も誰かの「夜を包む優しい月明かり」のようになれたら良いな、っとは思う。
 僕が生きていることで誰かが生きることを柔らかく受け入れられたなら、宇宙的な意味で僕が生きている価値が生まれたのかなあ、とも思えるのかも。

 その世界を実現するためには、どこかで僕が乗り越えていかなくてはいけない孤独。
 それと向き合っている形が、いま僕が過ごしている「そんな夜」なのかも知れない。

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