飾らないでみよう

『粕谷幸司の自由なコラム』05

 どんな言葉を選んでしゃべってみても、僕が僕であることはそう簡単には変えられないのだ。

 けれど、どこか飾っちゃうんだよね。カッコつけちゃうというか。
 もちろん、タレント活動をする上では、存在を偶像化するというか、多くの人が「好い」と思えるナリフリをしていることも仕事のうちなので、天才ではない限り、そのまんまの自分で在るというのも違うんだけれど。
 けれども、ね。最近は僕、ちょっとその飾りを解いてみようと思ってて。実験中なの。

 今のところ数少ないけれど存在してくれている女性ファンのことを思って、なるべく黙っていたのだけれど。実は僕、かなり毛深いんだ。
 髪の毛が、わりと量が多くて、太くてしっかりしてるので、もしかしたら想像に易いのかも知れないけれど。しかし、全身の毛が白いから、目立たないということもあるのだけれど。
 まゆ毛はね、よく見ると眉間がつながってる感じでね。まつ毛も、たまに目に入って泣いちゃうくらい存在感ある。鼻毛は、けっこう定期的に刈ってるし。ヒゲも濃い、首の方までたっぷり。
 胸毛は、ちくび周辺まで広くはびこっていて。ヘソ毛はそのままデリケートゾーンへつながって…、ん? ちょっとしつこいか。
 ともかく、僕は実は、全身かなり毛深い。
 とは言っても、僕が全裸ないしはそれに近い格好でみなさんの目に触れることは可能性として低いし(無いとは限らないけど、将来的に)。言わなければみんなの頭の中では《美しいアルビノの身体》を想像してもらえるんだから、バラさなければ良いのだけれど。
 けれど、なんと言うかね。これがリアルな僕でして!…って、言いたくなるんだ。

 これを読んでくれているくらい、僕に興味を持ってくれている方は、もう知っているだろうけれど。
 僕は愛煙家です。煙草を、よく吸います。
 …これもね。社会的にはもはや「煙草を吸ってる人間は悪」という考えが“常識”みたいになってるし。ちゃんと丁寧に隠していれば、嫌煙家の人から嫌われることも無いんだし、もしかしたら少しはモテる要素になるのかも知れないし…、言うだけ、損なんだけれどね。
 でも僕は、煙草が好きで、吸ってるんだ。

 あと、けっこう神経質っぽいところもある。部屋の中も、決してピカピカというわけではないけれど、物の配置とか、気になったりして。人を招いて何かして、終わって帰ってもらった後に、独りで後片付けをしている時とかも、いちいちポイントをチェックしてたりする。
 でも自分の中の許容範囲ってのは雑なもので、破れたパンツも「まあバレないし」と思ってはいてたりするし、換気扇の下は煙草の灰が散らばってたりもする。

 お酒はね、好きなんだけれど弱くてね。人と一緒に飲んでる時は潰れないようにしてるけど、独りでヤケ酒しちゃってる時とか、遠慮無く飲める仲間と居る時とかは、ベロンベロンになることもある。
 弱いから、記憶無くなることは無いんだけれど、意識が無くなる寸前とか、話しながら寝ちゃうとか、そうかと思えばあっという間に気持ち悪くなってトイレに駆け込むとか…、あまり褒められたもんじゃない飲み方になることも、ある。

 人間としてダメな、危険ドラッグとか、違法薬物とか、そういうのは絶対にしない。
 ギャンブルも、楽しさがあまり見出だせていないこともあるし、お金がないし、しない。
 けど、だらしない生き様なところはある。

 まだまだ書き切れないけれど、そういう、出したくもない所も含めて、僕が僕であるんだなあと、思うわけで。
 僕のそういう所を知って、それも含めて「粕谷幸司って好いな」と思ってくれる人こそ、大切にしたいなあと思うの。

 だから、もっと飾らないで…というか、むしろ自分の恥ずかしいところを積極的に“(何らかの)面白さ”として発信していきたいなって、最近よく思ってる。

 …それでも、好きでいてくれるかな?

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